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続いた・・・甲武信岳。

さて、日頃の運動不足で心配だった筋力問題も
いくらか大人になった精神力でカヴァーでき、
笑顔を絶やすことなく順調に登り続けて約5時間。

とうとう、とうとう山頂に到着!!

・・ガスって何にも見えない山頂にて、コーヒーを一杯。
何故かここだけつながる携帯電話で、1人おいていってしまった母に一報。
景色が見えないと、基本何もすることのない山頂をあとに山小屋へ。

山頂から山小屋へは片道約15分ほどなので、明日の御来光を切に願い
酒盛りして早めに就寝zzz

普段明るくなっても目が覚めず、
ようやく起きても「脳が起きてない」などとウダウダしているのに
この日は4時前に目が覚め、度が過ぎて決して綺麗と思えない数の星に感激し、
いざ山頂へ。

昨日はガスで何も見えなかった山頂から見えた景色は・・・

御来光(拡大写真はこちら)

後ろを振り返ると・・・

富士(拡大写真はこちら)

興奮気味に親父とパシャリ!

親父とパシャリ(拡大写真はこちら)

わずか数時間でここまで変化する自然の時間は然り、
絶対的なこのパワーに圧倒されるばかり!
・・・言葉がみつからないのでこれ以上は言いません。

普通、山小屋を利用する登山で連泊はあまりしないようなのですが、
今回は兄と話したコンセプトのもと、中一日はゆっくり山を満喫するために
同じ山小屋にて2泊することに。
これが大正解で、荒川の水源・笛吹川の水源をゆっくり回れただけでなく
山小屋の方とコーヒーを飲みながら、なぜかギターと太鼓(空のタル)とハーモニカでセッションなんかも。

17年ぶりに挑戦した登山。
過去の印象は一変して、毎年の恒例行事になり得る新たな趣味になるでしょう。

さて・・・
登山のレポートのように淡々と綴ってきたけど、
実際は「制作に還元できる何か。」を期待して臨んだ登山でもあった訳で。
山頂に行き着くまでに体感した原生林の脈々とした力。
山頂にて一望した壮大なスケールと時。
水源に感じた生命の鼓動。
これらを体感し下山した今、どうしよう・・・

・・・・・・なんて
性格上、無理に何かを引き出そうとすると嘘くさく感じてしまうので(学生時代の読書感想文のように)
何も考えず、気負わず、力まず、
きっと感じたことはいつの日か、作品となって自然に表現されるでしょう。
それでよしとしよう!

続く・・?

約20年前、親父と北岳(3192m・富士山に次ぐ標高)に登った。
当時12歳の自分にとっては、体力精神力ともに不足していて
登山の魅力が理解できないまま体力を削り
疲れで機嫌が悪くなり、山頂で清々しい顔をしている親父と
その感激を共有することもなく、ただただ休むことを楽しみに歩き続けた。
そんな感想だった気がする。

もちろん今思い返せば貴重な体験も多くしたし、
つまらなかったのなら翌年、鳳凰三山に挑戦したり
さらに翌々年、甲斐駒ケ岳に登ったりしなかっただろう。
でも、やはり辛かった記憶の方が強く残っていたってことは・・・?

楽しかったのか?
つまらなかったのか?

この歳になり
この仕事に就き
20年近い年月を経て挑戦する登山に何を感じるのか。

そんな確認の意味も込めて、親父・兄貴と三人で甲武信岳の登山を企画し行って参りました。

 

この甲武信岳。
山梨県、長野県、埼玉県の県境に位置し
千曲川、荒川、笛吹川の水源があるという珍しい山。
標高2475m。
以前登った北岳や間ノ岳に比べればそれほど高い山ではないけど
普段ろくな運動もせず、座り仕事の多い作陶家にとっては十分すぎる高さでしょう。

準備という準備は、慣れた親父にほとんど任せてしまって
自分の用意は新しい登山靴を購入したぐらい。

さぁ、どれだけ体力が保つのか。
どれだけ精神力が成長したのか。

いざ!

甲武信岳01(拡大写真はこちら)

制作のヒント

作品を創る際、自然界からのヒントやインスピレーションを基に制作することが多い。
というよりほとんどそれを基に制作している。
草花であったり樹木であったり、空・雲・川・海・霧・石ころ・・etc
無限にあるそれらをモチーフに、いざ制作。となると
必ずブチ当たるのが自分の腕と発想力。

腕は日々の努力でしか向上しないので時間がかかることは承知していても
発想に関しては、すんなり出て来ることもあれば
いくら考えても形が見えてこないことも・・・

そんな時、最近参考にしているのが「日本のことば」。

俳句や短歌に古くから使われていた季語や
自然の現象を表した言葉など、その音を聞くだけで情景や温度まで
感じられる日本のことば。

「時雨(しぐれ)」「幻日(げんじつ)」「春暁(しゅんぎょう)」
「樹雨(きさめ)」「寸陰(すんいん)」「春疾風(はるはやて)」
「白南風(しらはえ)」・・・など、実に多くのきれいな言葉があります。

これらのことばも、自然界からのヒントを基に人が創り伝わって来たもので
きっと響きの美しさや、色々な感情を織り交ぜて出来上がってきたんでしょう。

本当によくできていて、素直に伝わってくるこれらの言葉を、
制作の過程でワンクッション頭に入れるだけで、
アプリケーションの役割を果たしスムーズに進めることができることがあるのです。
しかもその響きの美しさから、そのまま作品名にもなる。
(もちろん作品の発想からことばを探すこともありますが。)

そのうちに自分の作品が、これら日本のことばのように
情景や感情を美しく素直に伝えられる「ことば」として生み出せていければなぁぁ。

 

そんなことを考えながら、我が家から見える景色をボーっと眺めていたら・・・

竹やぶ(拡大は写真をクリック)

気付けば32回目の誕生日を迎えていました。
地味に迎えた誕生日。
大好きなホットケーキでも作って食おっと。

我が家にNew face?

自分で自宅(アトリエに併設されているワンルーム?)の改装工事を始めて苦節四年。
やっと完成を迎えて住み始めて半年。
工事自体に多大な時間も金も費やしてしまった我が家に足りない家具は数多い。
テーブル・イス・ベッド・クローゼット・食器棚・・・・
ありモノをとりあえず使っているものの、
せっかくこだわって造った部屋にはそれなりの家具を入れたいと考えるのは当然で・・・

しかーし。そんな我が家にこんな素敵な食器棚が!!

kasho_食器棚(拡大は写真をクリック)

床のフローリングと同じ材のウォールナットで創られた、丈の低めの食器棚。
陶芸家にとっては何をどのようにディスプレイしようかと、
胸躍る想像を膨らませられる家具のひとつ。

シンプルながらにモダンな雰囲気のデザインに暖かみのある材質。
持っている器を乱雑に並べずに、お気に入りの器を魅せるようにディスプレイしよう。

ぐい呑みコレクションに一列。
コーヒータイムを彩るカップ&ソーサーに一列。
創るときから倒れてほしくないと願うワインカップに一列。
一人でカラーン、ってやるためのロックグラスに一列。

いいなぁ・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・

って一人で興奮気味に想像を膨らませていますが、
実はこれ・・我が家の食器棚にはならないのです。。

以前ブログで紹介した家具工房KASHOの作品で
納品前の写真撮影のみ、一時的に我が家に来たお客さんでした。

・・・・・・・・・・・・・・・残念。

家具工房 KASHO

家具工房 KASHO
横浜市青葉区にある注文家具屋KASHO_LOGO

アトリエが近所で同い年ということもあり、懇意にさせてもらってます。
最近、自分の作品に木を使う事があるんですが、
彼の協力なくてはできません。

 職人としての確かな腕
     +
 細部までこだわりぬく姿勢
     +
 人に慕われる人柄
     +
 相棒 ジャック (犬)

          = KASHO !!!

© 2009 Takuma Akashi.