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中国茶

日本伝統工芸展に出品するための制作や、
ギャラリーおかりやでの常設展の準備等で気付けばもう8月。
時が経つのは早いもので、せめて週2ぐらいはブログの更新をしようと思っていたのに・・・

良いのか悪いのかわからないけど、今月は自由に制作をできる期間。(?暇?)
今まで考えてはいたけど、なかなかできなかった実験と
先にあるであろう新作の発表のための制作期間に充てることにしましょう。

 

まず・・・
先日、展覧会で購入いただいた作品を届けに行ったところ、
酒器として使う片口を、中国茶の注器に使用したいということで
ちゃっかりお茶までご馳走になってしまいました。

今までちゃんとした中国茶に触れた事が少なかったせいか、
人見知りのはずが人見知る事を忘れ、その味と香りにしばし酔いしれました。
しかも使っている道具のおもしろいこと!
こりゃ作るっきゃない、と新しい物好きの心が疼き脳内エスキース。

Sさん。せっかくお邪魔しましたのに、ボーッとして見えてたらすいません。

 

中国茶会

 

ということで、まずは中国茶道具。始めてみようと思います。

そういえば最近のご馳走として、近所の中華料理店に行く事がしばしばあります。
その店のウリは中国茶。(ほとんど中華そばしか食いませんが・・・)
茶だけ飲みに行くのは贅沢だなぁと、今までは飲んだ事は無かったのですが、
こういうことなら話は別だ。

リサーチリサーチ・・・・・

「わんから」in 桃林堂

表参道にある桃林堂で開催中の「わんから」展に行ってきました。

リンクでもご紹介しています佐藤典克さんと、
林亜美さん、内山みどりさん、輪笠伸好さんの4人展です。

桃林堂というギャラリーは、僕は今のところ縁がないのですが
先日、兄の明石竜太郎が「柏陶会」のメンバーで先輩の城田領さんと
グループ展を開催し、陶芸、漆芸、木工、金工、染織など
すべての工芸分野に渡って若手の個展、グル−プ展を開催している
ギャラリーです。

ちょうど先日、工芸むら田でグループ展を終えたばかりだったので、
同世代の陶芸家グループとして、とてもよい刺激になりました。
「柏陶会」は8人。「わんから」は4人。
なのに、展示会場の雰囲気を見ると「わんから」の方が人数が多いのかな?
っていうぐらいバリエーションに富んだ作品が並んでいて、
ワイワイ楽しそうな印象を受けました。

それぞれの作者が試行錯誤する中で作品を突き合わせるグループ展。
そのグループにもそれぞれのカラーがあり、活動していく中で生まれる
意識や企画、コンセプトが後の自分の制作につながっていくんだろうなぁ、と
一人ではできないグループでの活動を大事に思う気持ちが上がった気がしております。

13日まで開催されている「わんから」。是非行ってみてください。

wankara(拡大写真はこちら)

展覧会の終了時間を待って、佐藤典克さん、林亜美ちゃんと酒を飲みに行き
色々と楽しい話で盛り上がり、ふと・・・
一人で仕事をするようになって、制作に関して考えてる事や自分なりの工芸論。
なんて話を同世代の人たちと語る機会が無くなってきている事に気がついて
少し寂しい気持ちになってしまいました。

取り留めなくあぁでもないこぉでもないって話は一見無駄なようだけど、
そうした話の中から生まれてくることは必ずあるはず。
間違いなく無駄ではないはず。
確実に自分の柄になっているはず。
こうした話のできる人達との時間。
本当に大切に思っています。

「柏陶会」終了

工芸むら田で開催してました、「柏陶会」が無事終了しました。
多くの方にご来場いただき、本当にありがとうございました。

今回、メンバー全員で2週間の会期で行うのは初めてだったんですが
「花の器」「食の器」共に今までとは少し違う感覚で臨めたような気がしてます。
複数でまとまって何かをやるということは、何かと難しいものですが
6回を経ると、その難しさから何か新しい企画やら楽しみを見出せるはずです。

今回の感想・反省をふまえて次回、より良い作品の発表ができればと思ってます。
これからもどうぞよろしくお願いします。

味の里にて

先日のブログで少し触れました、味の里(みのり)でのお食事会。
柏陶会のメンバー8名に、現在展覧会でお世話になっているむら田さんと、
陶芸家の大先輩、高橋誠さんの2名に参加していただいて
計10名でお食事会と称する器の研究会を行いました。

昨年、一昨年の工芸むら田での展示のテーマは『膳』。
今に続く和食器のサイズは膳に起因する。ということで立てたテーマだったけど
やはりそう簡単にはいかず、こうした機会を設ける事で少しでも
器の事が学べればと昨年よりこのお食事会をやっていただいております。

8人がそれぞれ2種類の器を6客ずつ持ち寄ることで、
ひとつの料理を2人の器に盛られる事になります。
味の里さんには器を見てお任せで盛り付けをしてもらうことになっていたので
実際に料理が出てくるまで自分の器に何が盛られて来るのかはわかりません。

始まってみると、早速付き出しに自分の器が登場。

 

向付(拡大写真)

 

アワビとアワビの肝が入った旨出し汁でした。

椀盛りの後、出て来た料理にも自分の作品が登場。

味の里_お造り(拡大写真)

こちらはスズキとシマアジ、峰丘豆腐。
添えてある葉っぱ(?)は昔七夕で用いられていたそうな。
無知な私は、変わった形のシソだなぁと食していまいましたが
何とも言えない苦みがあり、細かい毛が口の中に広がる感じの・・・
要するに葉っぱの味でした。

こうして自分の作品が、プロの料理人の手によって飾られる姿を見る機会は
今までに経験した事がなかったので
作り手の考える作品が、いかにひとりよがりでは成り立たない事なのかということを実感させられました。

これからもこうした機会を積極的に設けて
新たな作品づくりに繋げていきたいものです。

大変貴重ないい体験ができました。

むら田さん、味の里さん、ありがとうございました。

新作

工芸むら田で開催中の「柏陶会」。
6/28日からの後半の展示に出す作品が焼き上がり、
そのうちの一つ。

いつもの制作でも際どい事をやりがちで
「これは上手くいかないだろう」
と思いながらも窯に入れてしまい、予想通り失敗。
毎回反省してるつもりなんだけど・・・
またしても「いかにも垂れる!」的な形を創ってしまいました。

「もうちょっと学習しないとモノになりませんよ!」と、天の声。

これをひとまず無視して
創りたい形を優先して、垂れない工夫はその後で・・・といういつものパターン。

素材の特性上、タタラ成形での板物の制作は
特別な機械(セラローラなど)を使わないと、どうしても歪みが大きくなってしまうので、
タタラ成形はせずに、しっかり土を絞められるロクロ成形でやる事にし、
最も垂れやすい角の部分は断面を三角にする事で強度を出す事に。

「垂れませんように垂れませんように」と願いながら窯詰めをするものの、
あとはもう天のみぞ知る。
・・・さっきは無視してすいません・・・と。

そんな願いが通じたのか。
危惧していた尖った部分の垂れはほとんど認められず
イメージに近い焼き上がりでした。

 

夏空(拡大写真)

 

この作品、展示の前半最終日(6/27)に行われるお食事会
(味の里という、むら田さんに紹介していただいた料理屋さんで
実際に料理を盛り付けてもらうという大変贅沢な企画。)で
提供させていただく予定です。

いったいどんな料理が盛られるのか、今から楽しみです。

また詳しい情報はアップしたいと思います。

 

© 2009 Takuma Akashi.