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馬サイン

陶芸を始めて10数年。
素材・技法・表現と、自分の作品を創り出すために
試行錯誤を繰り返して変化してきた10数年。
大学で学び始めた頃はまだ手探りで、課題として出された素材や技法で
「やってみる」だけ。
形も絵付けも、何となく「考えてみる」だけ。
でも、この時に唯一自分で考えたオリジナルのデザインと呼べるものが

・・・・・【サイン】・・・・・

そう。作品の裏に入れているサインです。
素材や技法と同様に、自分の作品を象徴する大切なものの一つ。

自分の名前の由来として、幕末の風雲児・坂本竜馬から一文字いただき「拓馬」と。(兄は竜太郎)
もう一つ、将棋において盤上を鬼神のごとく縦横無尽に動く最強武将、飛車と角行。
この最強の武将が敵陣に入り「成る」と、竜と馬に。
(関連なくなっちゃうけど、「たくま」はアニメキャラから・・・)

そんな想いの込められた「馬」の一文字。
作品の裏にも、箱書きの落款にも
これだけは変わらず入れ続けてます。

ただ、「馬」の文字のデザインは変わってきていて、
古いエスキース帳を見返すと、かなりの割合で「馬」を考えてることに気付きます。
今まで特に考えたことはなかったけど、エスキース帳の日付を確認すると
その変化のタイミングは、研究室を決めた時。大学院に進んだ時。卒業して働きながら制作していた時。
そして今の工房に移った時と、環境の変化などで馬のサインも変わってきてるんですね。
(図々しくも、富本憲吉の「富サイン」みたいだなぁ、などと勝手に・・・)

現在の「馬」はこれ↓

「馬」サイン(拡大写真はこちら)

 

今後、まだまだあるだろう人生の転換期。
共に変化していく、ブレない「馬」。

大切にしていきたいものの一つです。

 

© 2009 Takuma Akashi.