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アトリエサウナ。

本格的に梅雨に入り、気温が高くジメジメしてきました。
毎日が暑いです。
眠りを妨げる耳障りな蚊も出現してきました。

窯場がアトリエ内にある我が工房では毎年、
この時期から涼しくなる季節までの数ヶ月の間は
窯を焚くとアトリエ内がとんでもない事になります。
恐ろしすぎて室内には温度計を設置していないので正確にはわかりませんが、
おそらく60℃〜80℃にはなっているでしょう。
なんせ近所のサウナと、さほど変わらない気がするほどの温度になりますから。

置いておいた飲み物はすぐに干涸びるし、
直前に制作した作品は、急激に乾きすぎて割れる事もしばしば。
お香や煙草の煙は、胸の辺りより上には行きません。
目線より下で停滞するのです。
吐いた息は、鼻の周りにまとわりつく感覚だし、
吸った息は、肺のあたりを温かくします。
当然、普段あまり汗をかかない体質の体は、大量の汗でびっしょり。
何気なく触るドアノブなどの金属部分。ハッキリ言ってビックリします。

しかし、悪い事ばかりではありません。
この熱を利用しない手はないと、
大量の洗濯をしてアトリエ内にぶら下げると、あっという間に乾きます。
夏なので外は日差しが強く暑いのですが、アトリエから外へ移動すると
ものすごく涼しいんです。30℃ほどの気温でも涼しいんです。
エアコンのないアトリエでは、工場用の大きな扇風機でまかなっているんですが、
普段は暑い空気を混ぜてるだけのこの機械も、
窯を焚いている時は外から内に向けて運転させると、涼しい風に感じるんです。

劣悪な環境になればなるほど、普段の生活の有り難みが感じられるってもんです。

それでもやはり、色見を出すために窯に接近すると
とんでもない熱さにやられます。

色見(拡大写真はこちら)

あの壁の向こう側は1300℃の世界。
熱いのは当たり前か。

© 2009 Takuma Akashi.